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「お金が欲しいんじゃない。ただ、素晴らしい女になりたいの」
マリリン・モンロー
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某日 六本木
週末の深夜。友人Rの連れの仲間に招かれ、V2のVIPに行った。先方の目的は明確だ。ハルトに可愛い子をナンパで調達してほしいということ。もう慣れっこだった。この形式での飲みはもう5年目位だった。
ハルトが到着した時間には、皆既に皆出来上がっていた。さっそくフロアに出かけて調達ナンパを開始した。トークなんて簡単だ。「VIPで飲んでるけど来る?」これを可愛い子に片っ端から言えばいいだけ。あとは友人のRが場を盛り上げてくれる。
どんどん可愛い子を搬送した。場はどんどん華やかになっていき、Rの連れたちもゴキゲンそうだった。さあ、仕事は終わり。ここからが本番だ。
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『もうホント最悪!セクハラ!』
フロアとバーカウンターの間の通路脇。彼女は、我々とは違うVIP客の悪口を延々と語っていた。彼女の仕事はイベントコンパニオン。高身長でスタイル抜群。アジア風で涼し気な顔立ち。流石はV2という感じ。友達と3人でV2に来て、店員に連れられてVIPに行ったが、そこでの対応がひどかったらしい。彼女が逃げるように出てきた所を、ハルトが見つけてナンパをした。
「友達はまだ中にいるの?」
『うん。いい男がいたらしくて、もう少しいるって』
そこから更に話を聞いた。中では高級なシャンパンがバンバン空くという。不動産関連の大金持ちの社長がいるらしい。「いいじゃん、シャンパンタダで飲み放題とか最高じゃない。落ち着いたら戻れば?」もう十分時間をかけてなごんだので、ハルトは突き放しを仕掛けた。
『うーん、どうしよ。友達いるし戻ろうかな』このトークは失敗だったか?ハルトは迷った。ここでひと押し、ハルトもVIPで来ていることを言おうかと思った。例えこちらに来なくても、それは有効なトークとして作用すると思った。でも、辞めた。いつものままでいこうと決めた。「朝はみんなと合流するでしょ?」ハルトは彼女に聞いた。『たぶん』彼女が答えた。
「だったら、朝まで時間あるね。それまで外に飲みに行こうよ」
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タクシー内で一気にギラ。キス。10分程でホテルに到着。部屋にin。ギラ。ノーグダ。即。
「じつは、俺もVIPにいたんだよね」『え、マジ?』ベッドの中で、彼女が驚いた顔で言った。『金持ちなら言ってよ』「いや金持ちじゃないよ。むしろ金持ちじゃないと嫌だった?」ハルトはそう質問した。彼女の正直な感想を聞きたかった。
『別に』
『ハルトはすごく私に優しかったし、私のこと色々聞いてくれたから』
『お金なんて、関係ないよ』
始発頃まで彼女と過ごして、彼女は友達のもとへ、ハルトは友人Rたちと合流するために戻った。皆はこれから更に飲みに行くと言っていた。ハルトはこれ以上欲しいものは無かったので、そのままの足で帰宅した。
年別アーカイブ: 2016年
一瞬の判断 〜MUSE案件20代前半女子大生〜
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チャンス(偶然)ではなく、チョイス(選択)が運命を決める。
ジグ・ジグラー
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某日 西麻布
2時頃にMUSEに入店した。事前情報もあって、この日は大盛り上がりだった。もう既にクラブはピークタイム。すぐにお持ち帰り案件を探す必要があった。
「1人なの?」
ダンスフロア後方で、ひとりで体を揺らしていた女の子に声を掛けた。「そうだよ」彼女はにこっと笑いながら、ハルトの質問に答えた。身長は150センチほど。年齢は恐らく20代前半。笑ったときの丸顔がとてもかわいかった。
『お兄さんも1人?』
少し迷った後「そうだよ」と答えた。ハルトは、複数で来ているという答えと、ひとりで来ているという答えの2パターンをいつも用意している。ナンパした女の子によって、答えを使い分けている。
今回は同調する作戦で攻めようと思った。互いに1人だということでなごみ、そしてそのままクラブを出て、お持ち帰りをしようと思っていた。すぐにその道筋を頭で思い浮かべることができた。今日も楽勝だ。そう思った。
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『やだ。私始発までいるよ』
彼女ははっきりとした口調でそう言った。柱の陰。抱きついた状態で何度もキスをした後だった。「どうして?」ハルトはもう一度彼女に聞いた。ソロ案件で、時間は3時で、ハグもキスも済ませているのに、どうして連れ出しを了承してくれないのかが分からなかった。
『私踊るのが好きなの』
そう言って、彼女は体を揺らし始めた。そして時おりこちらを振り向き、首に腕を絡めながらハルトにキスをしてきた。他のクラブの客が見ている中、ディープなキスを何度も何度もした。それなのに、連れ出し打診だけは絶対に了承してくれなかった。
3:30 もうピークタイムは過ぎていた。どうする?しかし、決まらない。彼女とキスをしながら考えた。ふと、正面を見た。女の子2人組に、がんばって声を掛けてる男が見えた。彼は、片方の女の子を必死に口説いている。女の子の表情を見た。口説かれている女の子は笑顔。もう一方は?腕を後ろで組んで、とてもつまらなそうな顔をしていた。
どうする?キスをしながら考えた。ここまできた案件だ。捨てるなんて勿体なすぎる。だが、向かいの二人組。あれは絶対に、いける。考えた。考えた。そして、決断した。
「ごめん、知り合いがいたから、ちょっと声掛けてくる!」
キスをしていた彼女にそう言い、すぐさま人混みをかき分けて、二人組みのいる場所に走った。「お待たせ」『えっ』彼女は一瞬驚いていたが、その後のトークで、すぐに心を許してくれた。
「向こうで2人で飲んでくる!いいよね?」男と話していた彼女の友達に一言告げ、手を繋いで彼女とバーカウンターへと向かった。彼女の反応を見た。いける。進路を変更して。ハルトは彼女の手を引き、クラブの出口へと繋がる階段を駆け上がっていった。
『え、だめだよ〜』言うだけで全く抵抗は無かった。タクシーに乗り、ホテルへと向かった。『え、いきなり〜』形式グダだった。そのままホテルに入り、即。ホテルINまで20分もかかっていない。ほんの一瞬の出来事だった。
彼女は20代前半の女子大生。他のクラブで飲んでから、MUSEに移動してきていたらしい。『あのナンパ男ほんとやだったんだけど、○○ちゃんがめっちゃ気に入っちゃったみたいで』『超つまんなかった。だから声かけてくれてありがとう』
彼女は持ち帰られに来ていた。本当にラッキーだった。とっさの判断が生死を分ける。このドキドキ感は本当にクセになる。
ミステリーメソッド読了 ~口説きの教典──カリスマナンパ師“ミステリー”の恋愛メソッド~
素晴らしい!これこそ日本のクラブナンパ向けのノウハウ書籍と言える。
グループセオリー・・・男含む集団を自由に操るテクニック
ショット・ガン・ネグ・・・複数人に向けたいじりのテクニック
これらがクラブナンパでは有効的かな。
あと、ピーコックセオリーと、仲間連れてクラブ行くというのは自分には性に合わないと思った。目立つと常連に目をつけられてしまうから。スナイパー型のクラブナンパが一番いいし、自分には一番合ってると思う。
「君のせいじゃない」 〜V2案件彼氏持ち宝石店店員とのアポ〜
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「It’s not your fault. It’s not your fault.」
(君は悪くない。君は悪くないんだ。)
グッド・ウィル・ハンティング
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某日 週末
最寄り駅の地下鉄地上出口で、彼女を待っていた。彼女と出会ったのはとある週末のV2。お立ち台で踊っていた彼女が疲れてダンスフロアを後にしようとした瞬間にナンパした。VIPで知り合いと飲んでいたらしく、戻るまでなら、という条件をもらい、ダンスフロア脇の通路で暫くの間彼女と談笑した。
『もう戻らなきゃ』
そう言われたタイミングで、番ゲ打診をした。そして、短いメッセのやりとりをした。正直不安だった。この短いなごみで次回のアポにつながるかどうか。本来ならもう少し仕上げが必要だった。だから、今日、このアポが成立するかは、最後まで分からなかった。
待ち合わせ時間の2分前。エスカレーターを上から覗き込んでも、彼女の姿は見えない。待ち合わせ時間3分後。まだ彼女の姿は見えない。とんとん、と肩を叩かれた。驚いて振り向くと、彼女がいた。
『出口間違えちゃった♪』
ハルトはすこし笑って、「行こっか」と言い、すぐに歩き出した。黒のコート。巻き髪。整った小さい顔。赤い口紅。直視できなかった。クラブマジックは一切なかった。彼女は本当にきれいだった。
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『あの日はひとりでいたの?』
とあるバーで乾杯をした後、彼女がハルトに質問をしてきた。「いや、知り合いと飲んでたよ。あの時はたまたま」ハルトはソロメインだ。いつもの言い訳をいつものように彼女に向かって話す。そこから、彼女のことをイジりながら恋愛の話に持っていく。ここからは、もうオート・パイロット(自動操縦)だ。
彼女は20代後半。
東京出身。
実家ぐらし。
そして、現在はとある有名宝石ブランドの販売員をしている。
恋愛については、あまり深く聞き出せなかった。正直にペラペラとしゃべってくれる子のほうが、はっきり言って即りやすい。正直な子は、たいてい、警戒心がない子であることが多い。彼女は、そのどちらでも無さそうだった。少し嫌な予感がした。
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『私、家には行かないわよ』
バーを出てからの家打診は、即効で断られた。「どうして?」ハルトは聞いた。『体目当てなのバレバレ。てか私、彼氏いるし』ここまで絶望的なグダは久しぶりだった。どうしようか?ハルトは考えた。グダ崩しをしなくてはならない。しかしその前に、グダ崩しが出来る環境を整えなければいけない。
「じゃあ、二軒目に行こうよ」
そう言って、ハルトは歩き始めた。そこで、彼女とたくさんおしゃべりをした。彼氏とはいつから付き合ってきたのか。彼氏はどんな人か。どれだけラブラブなのか。
そして、繁華街を抜けたあたりで聞いた。彼氏がいることを、なぜこのタイミングまで、黙っていたのか。
「いままで黙ってたってことは、正直、俺のこと少しでも良いと思ってくれたんでしょ?」
『。。。』
『確かにいま君はその彼氏と付き合っているけど、もし違うタイミングで出会っていれば、結果は違っていたかもしれないよね?』
『でも。。』
ここで、立ち止まり、肩を抱いた。
「○○のせいじゃない」
「○○は悪くない」
「だから、正直になって」
ここで、キスをした。そして実はすぐ近くまできていた、ハルト邸で準即。言葉に反して、体はとても正直だった。
彼女は知り合いが多く、その知り合いによくクラブに連れて行ってもらうそうだ。幸運なことにV2の常連客ではなかった。良かった。はち合わせて彼女を失うことになるのは嫌だから。
ザ・ゲーム30DAYS読了
テクニックという点では特段真新しいものは無かった!ザ・ゲームのストーリーをじっくり読んで、その要所要所で出てくるテクニックをメモしたほうが有益だなと感じた。
個人的には後半の体験談の方が面白かった。ストーリーがあると本当に面白いね。