月別アーカイブ: 2016年12月

金では落ちない女 〜V2VIP案件イベントコンパニオン〜

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「お金が欲しいんじゃない。ただ、素晴らしい女になりたいの」

マリリン・モンロー

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某日 六本木


週末の深夜。友人Rの連れの仲間に招かれ、V2のVIPに行った。先方の目的は明確だ。ハルトに可愛い子をナンパで調達してほしいということ。もう慣れっこだった。この形式での飲みはもう5年目位だった。


ハルトが到着した時間には、皆既に皆出来上がっていた。さっそくフロアに出かけて調達ナンパを開始した。トークなんて簡単だ。「VIPで飲んでるけど来る?」これを可愛い子に片っ端から言えばいいだけ。あとは友人のRが場を盛り上げてくれる。


どんどん可愛い子を搬送した。場はどんどん華やかになっていき、Rの連れたちもゴキゲンそうだった。さあ、仕事は終わり。ここからが本番だ。



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『もうホント最悪!セクハラ!』



フロアとバーカウンターの間の通路脇。彼女は、我々とは違うVIP客の悪口を延々と語っていた。彼女の仕事はイベントコンパニオン。高身長でスタイル抜群。アジア風で涼し気な顔立ち。流石はV2という感じ。友達と3人でV2に来て、店員に連れられてVIPに行ったが、そこでの対応がひどかったらしい。彼女が逃げるように出てきた所を、ハルトが見つけてナンパをした。



「友達はまだ中にいるの?」

『うん。いい男がいたらしくて、もう少しいるって』



そこから更に話を聞いた。中では高級なシャンパンがバンバン空くという。不動産関連の大金持ちの社長がいるらしい。「いいじゃん、シャンパンタダで飲み放題とか最高じゃない。落ち着いたら戻れば?」もう十分時間をかけてなごんだので、ハルトは突き放しを仕掛けた。


『うーん、どうしよ。友達いるし戻ろうかな』このトークは失敗だったか?ハルトは迷った。ここでひと押し、ハルトもVIPで来ていることを言おうかと思った。例えこちらに来なくても、それは有効なトークとして作用すると思った。でも、辞めた。いつものままでいこうと決めた。「朝はみんなと合流するでしょ?」ハルトは彼女に聞いた。『たぶん』彼女が答えた。



「だったら、朝まで時間あるね。それまで外に飲みに行こうよ」




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タクシー内で一気にギラ。キス。10分程でホテルに到着。部屋にin。ギラ。ノーグダ。即。


「じつは、俺もVIPにいたんだよね」『え、マジ?』ベッドの中で、彼女が驚いた顔で言った。『金持ちなら言ってよ』「いや金持ちじゃないよ。むしろ金持ちじゃないと嫌だった?」ハルトはそう質問した。彼女の正直な感想を聞きたかった。



『別に』
『ハルトはすごく私に優しかったし、私のこと色々聞いてくれたから』


『お金なんて、関係ないよ』




始発頃まで彼女と過ごして、彼女は友達のもとへ、ハルトは友人Rたちと合流するために戻った。皆はこれから更に飲みに行くと言っていた。ハルトはこれ以上欲しいものは無かったので、そのままの足で帰宅した。



一瞬の判断 〜MUSE案件20代前半女子大生〜

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チャンス(偶然)ではなく、チョイス(選択)が運命を決める。

ジグ・ジグラー

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某日 西麻布


2時頃にMUSEに入店した。事前情報もあって、この日は大盛り上がりだった。もう既にクラブはピークタイム。すぐにお持ち帰り案件を探す必要があった。



「1人なの?」



ダンスフロア後方で、ひとりで体を揺らしていた女の子に声を掛けた。「そうだよ」彼女はにこっと笑いながら、ハルトの質問に答えた。身長は150センチほど。年齢は恐らく20代前半。笑ったときの丸顔がとてもかわいかった。



『お兄さんも1人?』



少し迷った後「そうだよ」と答えた。ハルトは、複数で来ているという答えと、ひとりで来ているという答えの2パターンをいつも用意している。ナンパした女の子によって、答えを使い分けている。


今回は同調する作戦で攻めようと思った。互いに1人だということでなごみ、そしてそのままクラブを出て、お持ち帰りをしようと思っていた。すぐにその道筋を頭で思い浮かべることができた。今日も楽勝だ。そう思った。



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『やだ。私始発までいるよ』



彼女ははっきりとした口調でそう言った。柱の陰。抱きついた状態で何度もキスをした後だった。「どうして?」ハルトはもう一度彼女に聞いた。ソロ案件で、時間は3時で、ハグもキスも済ませているのに、どうして連れ出しを了承してくれないのかが分からなかった。



『私踊るのが好きなの』



そう言って、彼女は体を揺らし始めた。そして時おりこちらを振り向き、首に腕を絡めながらハルトにキスをしてきた。他のクラブの客が見ている中、ディープなキスを何度も何度もした。それなのに、連れ出し打診だけは絶対に了承してくれなかった。


3:30 もうピークタイムは過ぎていた。どうする?しかし、決まらない。彼女とキスをしながら考えた。ふと、正面を見た。女の子2人組に、がんばって声を掛けてる男が見えた。彼は、片方の女の子を必死に口説いている。女の子の表情を見た。口説かれている女の子は笑顔。もう一方は?腕を後ろで組んで、とてもつまらなそうな顔をしていた。


どうする?キスをしながら考えた。ここまできた案件だ。捨てるなんて勿体なすぎる。だが、向かいの二人組。あれは絶対に、いける。考えた。考えた。そして、決断した。



「ごめん、知り合いがいたから、ちょっと声掛けてくる!」



キスをしていた彼女にそう言い、すぐさま人混みをかき分けて、二人組みのいる場所に走った。「お待たせ」『えっ』彼女は一瞬驚いていたが、その後のトークで、すぐに心を許してくれた。


「向こうで2人で飲んでくる!いいよね?」男と話していた彼女の友達に一言告げ、手を繋いで彼女とバーカウンターへと向かった。彼女の反応を見た。いける。進路を変更して。ハルトは彼女の手を引き、クラブの出口へと繋がる階段を駆け上がっていった。


『え、だめだよ〜』言うだけで全く抵抗は無かった。タクシーに乗り、ホテルへと向かった。『え、いきなり〜』形式グダだった。そのままホテルに入り、即。ホテルINまで20分もかかっていない。ほんの一瞬の出来事だった。



彼女は20代前半の女子大生。他のクラブで飲んでから、MUSEに移動してきていたらしい。『あのナンパ男ほんとやだったんだけど、○○ちゃんがめっちゃ気に入っちゃったみたいで』『超つまんなかった。だから声かけてくれてありがとう』


彼女は持ち帰られに来ていた。本当にラッキーだった。とっさの判断が生死を分ける。このドキドキ感は本当にクセになる。